丸型PSEマークとは?届出代行の費用・期間・手続きの流れを行政書士が解説|Amazon出品・中国輸入・OEM販売に必須の電安法対応ガイド
丸型PSEマークとは?届出代行の費用・期間・手続きの流れを行政書士が解説
PSEマークとは?電気用品安全法の基本
PSEマークは、電気用品安全法(電安法)に基づき、日本国内で販売される電気用品に表示が義務づけられた安全マークです。この法律は経済産業省が所管しており、電気用品による危険や障害の発生を防止することを目的としています。
対象となる電気用品は全457品目が指定されており、これらの製品を日本国内で製造・輸入して販売する事業者は、技術基準への適合確認、検査の実施、そしてPSEマークの表示が法律で義務づけられています。PSEマークの表示がない電気用品の販売は、電安法第27条により禁止されています。
丸型PSEとひし形PSEの違い
電気用品安全法が定める457品目は、危険度に応じて2つに分類されています。「特定電気用品」に該当する116品目にはひし形PSEマーク(◇PSE)が、「特定電気用品以外の電気用品」に該当する341品目には丸型PSEマーク(○PSE)が、それぞれ表示されます。
両者の大きな違いは検査要件にあります。以下の表で主な相違点を整理します。
| 項目 | ひし形PSE(特定電気用品) | 丸型PSE(特定電気用品以外) |
|---|---|---|
| 対象品目数 | 116品目 | 341品目 |
| 第三者検査機関の検査 | 必須 | 不要 |
| 自主検査 | 工程検査+全数検査+試料検査 | 出荷前全数検査のみ |
| 費用目安 | 50万〜200万円超 | 数万〜30万円程度(簡易な製品) |
| 取得期間の目安 | 半年〜1年 | 1〜3ヶ月 |
丸型PSEは登録検査機関による第三者検査が法的に不要であるため、取得の費用・期間ともにひし形PSEと比較して負担が軽くなっています。ただし、技術基準への適合義務そのものは同じであり、「自主検査で済む=基準が甘い」ということではありません。
丸型PSEの対象製品
丸型PSEの対象となる341品目は、幅広い家電・電子機器を含んでいます。日常的にEC市場で取引される主な製品カテゴリは以下のとおりです。
| カテゴリ | 代表的な製品例 |
|---|---|
| 電熱器具 | 電気こたつ、電気カーペット、電気アイロン、電気ストーブ |
| 電動力応用機械器具 | 冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機 |
| 光源・光源応用機械器具 | LEDランプ、LED電灯器具、電気スタンド |
| 電子応用機械器具 | テレビ、音響機器 |
| 交流用電気機械器具 | 炊飯器、電気歯ブラシ、電気かみそり |
| リチウムイオン蓄電池 | モバイルバッテリー |
PSE対象外となる主な製品:USB(DC5V)給電のみで動作する製品、電池駆動のみの機器、PC本体・プリンター本体(ただし付属ACアダプターは別途対象)などがあります。自社製品が対象かどうか判断に迷う場合は、専門家にご相談ください。
PSE届出の手続き6ステップ
丸型PSEの届出手続きは、以下の6つのステップで進みます。
- 電気用品の該当性確認
製品が457品目のいずれに該当するかを判別します。経済産業省の「電気用品の範囲の解釈」や施行令別表に基づいて確認を行います。 - 事業届出
事業開始から30日以内に管轄の経済産業局へ届出を行います。届出自体は無料で、オンライン手続き(保安ネット)にも対応しています。届出事業者は日本国内に居住する個人または日本で法人登記された企業に限られます。 - 技術基準適合確認
国が定める技術基準への適合を確認します。自社での実施も法律上は可能ですが、実務的には検査機関へ依頼するケースが大半です。 - 自主検査の実施
出荷前に全数検査を行います。一般的な製品では外観検査、絶縁耐力検査、通電検査の3項目が対象です。検査記録は検査日から3年間の保存が義務づけられています。 - PSEマーク等の表示
製品本体に丸型PSEマーク、届出事業者名、定格電圧、定格消費電力等を表示します。 - 販売開始
すべての義務を履行して初めて、販売および販売目的の陳列が認められます。
取得にかかる費用と期間の目安
丸型PSEの取得費用は、製品の種類や利用する検査機関によって変動します。経済産業省への届出そのものは無料ですが、検査機関への試験費用が主な支出となります。
| 製品カテゴリ | 検査費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| モバイルバッテリー | 20万〜50万円 | 28日間の連続充電試験が必要 |
| LED照明器具 | 30万〜80万円 | EMC試験を含む場合あり |
| 音響機器 | 30万〜60万円 | — |
| 電気ストーブ等 | 50万〜200万円 | 製品の複雑さに依存 |
取得期間は一般的に1〜3ヶ月程度です。該当性確認から試験完了、届出までを含めた期間となります。モバイルバッテリーの場合は28日間の連続充電試験があるため、試験工程だけで1ヶ月以上を要する点にご注意ください。
当事務所の報酬について:SG行政書士法務事務所のPSE届出代行はフルサポート110,000円(税込)〜で承っております。検査費用は製品・検査機関により異なるため、お見積りの際に総額を事前にご案内いたします。
PSE未対応で起こりうるリスク
PSEマークなしで電気用品を販売した場合、複数のリスクが段階的に発生します。
EC出品時のリスク:AmazonなどのECプラットフォームでは、PSE対象商品の出品時に審査書類の提出が求められます。未対応の場合は出品ブロックや既存商品の出品停止(ASIN削除)となり、悪質なケースではアカウント停止に至る可能性もあります。アカウント停止の場合、売上金の入金も停止されるため、資金繰りへの影響は深刻です。
法的なリスクも見過ごせません。電気用品安全法違反(PSEマーク無表示品の販売)は、個人の場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、法人の場合は最高1億円の罰金が定められています。経済産業大臣による販売停止命令や回収命令といった行政処分の対象にもなり得ます。
中国輸入・OEM販売で注意すべきポイント
偽PSEマーク問題
中国のECプラットフォームで「PSE対応」と記載されている製品であっても、そのPSEマークが日本の法的要件を満たしているとは限りません。日本の電気用品安全法では、輸入事業者(日本国内の法人または個人)が届出義務を負い、その事業者名をPSEマークとともに表示する必要があります。海外工場が独自に付けたマークでは、この要件を満たしません。
ACアダプターの見落とし
本体が丸型PSE対象の製品であっても、付属のACアダプター(直流電源装置)はひし形PSE(特定電気用品)に分類されるケースがあります。本体のPSE対応だけに注力し、ACアダプターの認証を見落とすと、法令違反になりかねません。PSE取得済みのACアダプターをサプライヤーから調達する方法も含め、事前に全体像を確認しておくことが重要です。
2025年製品安全4法改正の影響
2024年6月に成立した「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律」は、電気用品安全法を含む製品安全4法を一括改正し、2025年12月25日に施行されました。
この改正による主な変更点は、EC経由で日本の消費者に直接販売する海外事業者が「特定輸入事業者」として規制対象に加わったことです。該当する事業者には国への届出義務が課され、「国内管理人」の選任も必須となりました。さらに、ECプラットフォーム提供者に対して、安全性に問題のある製品の出品削除を経済産業省が要請できる制度も新設されています。
この改正により、ECプラットフォームにおけるPSE関連の取り締まりは今後さらに強化される見通しです。現在販売中の製品も含め、PSEの適合状況を早期に確認されることをおすすめします。
なぜ行政書士に届出代行を依頼すべきなのか
PSEの届出手続きにおいて、経済産業局への事業届出は行政書士法に基づく行政書士の独占業務です。無資格の事業者が届出代行を行うことは、行政書士法に抵触する可能性があります。
行政書士に依頼するメリットは、法令知識に基づいた適正な手続きの確保だけではありません。製品の該当性確認(電気用品の区分特定)から技術基準の調査、検査機関の選定・調整、届出書類の作成・提出まで、一連の工程を専門家がサポートすることで、手続きの正確性と効率性を高められます。
特に初めてPSE届出を行う事業者にとっては、電気用品の区分判定や適用される技術基準の特定など、専門知識を要する工程が複数あります。こうした部分を行政書士に任せることで、本業に集中しながら法令に準拠した販売体制を構築できます。
よくあるご質問
PSE認証にはどのくらいの期間がかかりますか?
製品や検査機関にもよりますが、一般的に1〜3ヶ月程度です。検査の混雑状況や製品の適合状況によって前後する場合があります。
海外工場で製造した製品でも取得できますか?
はい、可能です。海外工場で製造された製品でも、技術基準への適合を確認し、輸入事業者として届出を行うことで丸型PSEマークを表示できます。
OEM製品でもPSE届出は必要ですか?
はい、必要です。OEM製品であっても、日本国内で販売する電気用品にはPSEマークの表示が義務づけられています。輸入・販売を行う事業者が届出義務者となります。
どの製品がPSEの対象かわからないのですが、相談だけでも大丈夫ですか?
もちろんです。製品がPSEの対象かどうかの確認や、手続きの概要説明は無料で承っております。お気軽にご相談ください。
ひし形PSE(特定電気用品)の届出も依頼できますか?
当事務所では丸型PSE(特定電気用品以外の電気用品)の届出代行を承っております。ひし形PSE対象製品については別途ご相談ください。
免責事項:本記事は、電気用品安全法およびPSE届出手続きに関する一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な手続きや判断については、必ず専門家にご相談ください。本記事の情報は執筆時点の法令等に基づいており、今後の法改正等により内容が変更となる場合があります。また、本記事に記載の費用・期間はあくまで一般的な目安であり、個別の案件により異なります。
コメントを残す